【2023年7月1日】建設業法令改正!専任技術者の実務経験要件の緩和&技術検定の受験資格が変更したって本当?

行政書士宮城彩奈

こんにちは!
行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。

令和5年7月1日より、専任技術者の実務経験要件と施工管理技士試験の受験資格要件が緩和しています。

今回の改正によって、建設業許可の取得や後任の育成も負担が経験する建設業者様もいらっしゃると思うので、改正内容をぜひチェックしてください!

目次

検定試験の受験資格緩和の内容とは?

1級施工管理試験の1次検定

1級の1次検定が行われる日に属する年度末の年齢が19歳以上

1級施工管理試験の2次検定

  • 受験しようとする2次検定と同じ検定種目の1次検定に合格した後、その検定種目の実務経験5年以上
  • 受験しようとする2次検定と同じ検定種目の1次検定に合格した後、その検定種目の実務経験3年以上(特定実務経験1年以上を含む)
  • 受験しようとする2次検定と同じ検定種目の1次検定に合格した後、その検定種目の監理技術者補佐の実務経験1年以上
  • 受験しようとする2次検定と同じ検定種目の2級2次検定に合格した後、同じ検定種目の1級1次に合格し、2級2次検定に合格した後、その検定種目の実務経験5年以上
  • 受験しようとする2次検定と同じ検定種目の2級2次検定に合格した後、同じ検定種目の1級1次に合格し、2級2次検定に合格した後、その検定種目の実務経験3年以上(特定実務経験1年以上を含む)
  • 国土交通大臣が上記と同等の知識と経験を持つと認定した場合

2級施工管理試験の1次検定

2級の1次検定が行われる日に属する年度末の年齢が17歳以上

2級施工管理試験の2次検定

  • 受験しようとする2次検定と同じ検定種目(検定種別)の2級1次検定に合格した後、その検定種目(検定種別)の実務経験3年以上
  • 受験しようとする2次検定と同じ検定種目の1級1次検定に合格した後、その検定種目(検定種別)の実務経験1年以上
  • 国土交通大臣が上記と同等の知識と経験を持つと認定した場合

合格証明書には、従来、本籍地の記載がされていましたが、今後は記載しない運用となりました。
そのため本籍地に変更があっても、合格証明書の書き換え申請は不要となります。

実務経験年数の緩和内容は?

改正前の専任技術者になれる実務経験年数は3パターンとなっています。

学歴実務経験
短大・大学の指定学科3年
高校の指定学科5年
上記以外10年

令和5年7月1日の改正後は、1級施工管理技士1次検定または2次検定に合格した場合は大学の指定学科卒と同じ扱いとされるため、合格後3年の実務経験で専任技術者としての要件を満たすことができます。

また、2級施工管理技士1次検定または2次検定に合格した場合は、高校の指定学科卒と同じ使いとされるため、合格後5年の実務経験で専任技術者としての要件を満たすことができます。

学歴/検定実務経験
短大・大学の指定学科3年
高校の指定学科5年
技士補
技士
指定学科の1級1次or2次検定合格(New)3年
指定学科の2級1次or2次検定合格(New)5年
上記以外10年

また、どの種類の検定試験でもよいというわけではなく、合格した技術検定に対応した指定学科となります。

技術検定科目指定学科
土木施工管理・造園施工管理土木工学
建築施工管理建築学
電気工事施工管理電気工学
管工事施工管理機械工学

具体的なメリットとは?

結局、資格試験に合格をしないと実務経験年数の緩和がなく、一見すると改正前とのメリットがわかりにくいのですが、例えば、機械器具設置工事業の専任技術者を例とすると、今までは建築学・機械工学・電気工学の指定学科卒業以外は10年の実務経験しか認められなかったところ、改正後は、指定学科を卒業していなくても、建築・電気工事・管工事施工管理技士試験の合格で合格後3年または5年に実務経験短縮が可能となります。

さとし

各国家資格で取得できる許可業種以外の許可を取りたい場合に、実務経験は10年ではなく、3~5年でクリアできるようになったのだね!

主任技術者・監理技術者の扱いは?

主任技術者、監理技術者についても改正した専任技術者要件と同様の扱いとなりますが、指定建設業(土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)については、今回の改正の対象外となりますので、引き続き、1級国家資格者(2次試験まで合格)の配置が必要となります。

監理技術者資格者証には、従来、本籍地の記載がされていましたが、今後は記載しない運用となりました。
そのため本籍地に変更があっても、監理技術者資格者証の記載事項変更の届出は不要となります。

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