建設業許可の29業種のうち、「水道施設工事業」の建設業許可を取るための、押さえておきたい事をお伝えしたいと思います。
まず、建設業許可を取ると何がよいかというと、500万円以上の工事も請負えますし、信頼度もかなり上がるので他者との差別化にもなります。
元請から「建設業許可を取って下さい」と言われているというケースで弊所にご相談いただく建設業者様が非常に多いです。
そんな「建設業許可」を取得するためには、
- 経営業務の管理責任者がいること
- 専任の技術者がいること
- 請負契約に関して誠実性を有していること
- 請負契約を履行するに足りる財産的基礎を有すること
- 欠格要件に該当しないこと
この5つを抑える必要があります。これを一般的には「許可要件」と言います。(一般的にと言ってもあまり聞きなれませんよね…)
どの建設業許可業種でも、この5つの要件は欠かせません。
特に肝になってくるのは、「1、経営業務の管理責任者がいること」と「2、専任の技術者がいること」の2つが複雑で、「水道施設工事業の許可をもらうための十分な経営能力と技術力があるよ」と証明するには大変な部分になっています。
建設業許可上の水道施設工事業とは?
建設業許可事務ガイドラインより、水道施設工事業とは次のように定められています。
”上水道、工業用水道等のための取水、浄水、排水等の施設を築造する工事または公共下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事”
どのような工事なのかは次のような例示があります。
取水施設工事、浄水施設工事、排水施設工事、下水処理施設工事
水道施設工事業の経営業務の管理責任者になれる人
経営業務の管理責任者の事を、「経管(ケイカン)」と言ったりします。経管は法人であれば役員、個人事業主であれば本人がなる必要があります。
水道施設工事業で経管になれる人とは次の要件を満たす人です。
- 水道施設工事業に関し、5年以上経管としての経験があること
- 水道施設工事業に関し、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験があること
- 水道施設工事業に関し、6年以上経営業務を補佐した経験があること
- 水道施設工事業以外の建設業に関し、6年以上経管としての経験があること
- 水道施設工事業以外の建設業に関し、執行役員等として6年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験があること
- その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者
特にブルーのラインが引いてある部分で、許可取得を目指すことがスムーズになります。
ブルー以外ですと証明のハードルが上がり、難しくなります。ここではその件は省きます。
「水道施設工事業以外の建設業に関し6年以上経管としての経験があること」とありますが、「水道施設工事業以外の建設業で6年ないといけないの?」と思う方もいると思います。
ですが、こちらは6年水道施設工事業の経管経験でもよいですし、例えば水道施設の経管経験が3年+内装仕上げの経管経験が3年=6年、内装仕上げの経管経験が6年でもOKですということです。
経管は、許可申請業者で常勤でなければなりません。
ですので他社で経管になることも、個人事業主になることもできません。
水道施設工事業の専任の技術者になれる人
次に、水道施設工事業で専任の技術者になれる人は次のような人です。ちなみに「専任の技術者」のことを「専技(センギ)」と言ったりします。
水道施設工事業に対応している資格を持っていること
- 1級土木施工管理技士★
- 2級土木施工管理技士(土木)
- 上下水道・総合技術監理(上下水道)技術士★
- 上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)技術士★
- 衛生学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)技術士★
- 衛生工学「廃棄物管理」、「廃棄物処理」又は「汚物処理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」または「廃棄物処理」)技術士★
※★マークは特定建設業許可の専任の技術者になれる人です。
水道施設工事業に関して10年以上の実務経験があること
今まで、会社員でも一人親方でも会社役員でも10年以上水道施設工事業に関しての実務経験があることです。
水道施設工事業に関する所定学科を卒業して、実務経験が一定期間あること
水道施設工事業に関する所定学科は以下です。
【土木工学・建築学、機械工学、都市工学、衛生工学科】
- 所定学科の中学・高校卒業の場合は、卒業後の実務経験5年
- 所定学科の大学・高等専門学校の場合は、卒業後の実務経験3年
- 所定学科の専修学校の場合は、卒業後の実務経験5年(専門士、高度専門士であれば3年)
専技に関しても、申請業者で常勤でなければなりません。
ですので他社で専技になることも、個人事業主になることもできません。
その他3つの許可要件
その他、3つの許可要件で資金調達能力という要件があります。
これは、一般建設業許可であれば500万円の純資産があること、特定建設業許可であれば資本金2,000万円以上等厳しい要件があります。
特定建設業だけ、かなり厳しいですがこれは下請け業者さんの保護のためにこれだけの義務を課しています。
特定建設業の資金調達能力に関してはこちらのページで少し触れています。
その他、欠格要件に該当しないこと(建設業法第8条)・請負契約に関し、誠実性があることが要件になります。
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