こんにちは!行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。
今回は最近話題の「建設キャリアアップシステム」について、少し書きたいと思います。
現在システム開発を行っており、2018年4月から先行登録・2018年10月から先行運用が開始する予定の「建設キャリアアップシステム」は、運用開始後5年以内に全技能者の登録を目指しています。
このシステムは一体どんなことに役立つのでしょう?
建設キャリアアップシステムとは?
端的に言えば、このシステムに技能者(最終的には全技能者)が本人情報・就業経歴・保有資格等を登録し、登録が完了するとひとりひとりにICカードが発行されます。
そのICカードを使用し、就業実績(現場、時間、立場等)を電子的に記録して残していきます。さらに、就業実績のほかには講習受講の実績等も残されていくので、そういった情報を基に処遇の改善・技能者の評価もしっかりと行われていきます。
なぜこのシステムを開発することになったのか?
日本の就労者人口は減少する一方です。どの業界にも共通して言えますが、その中でも建設業は「社会保険がない」「休みが少ない」「重労働なのに低賃金だ」…等と言うような理由で、若手の就業率が低く、若手の担い手確保が課題になっています。
対策の一つとして、建設業界の処遇や待遇など改善し、今後の管理体制を組み立てる必要があります。さらにこのシステムを活用する事で、就業実績の履歴から能力の適正な評価にも繋がってゆき、すでに就労しているベテランの技術者にとっても、安心して就労できる環境になっていく事を目指しているのです。
期待される効果と機能
建設キャリアアップシステムはインフラですから、そのインフラを活用して十分に効果を発揮するためには、業界と行政が組織化して一丸となって取り組んでいく必要があると思います。
技能者の技能や職歴に応じた賃金の実現
技能者一人一人の就労実績、保有資格が閲覧できることで、優れた技術を持つ技能者を雇用する専門工事業者が選べるようになります。
また、雇用側はデータを基に技能者の能力評価基準を策定でき、技能や職歴に応じた細やかな賃金体系も検討が出来ます。
建退共証紙のチェック
システムに蓄積された技能者の就労実績を活用し、元請けは交付する証紙の必要枚数確認、技能者は手帳への貼付け状況の確認が容易になります。(証紙の替わりに電子的な方法で対応する事も検討しています。)
自身の技能の確認・証明
技能者も確認できる技能者のポータルサイトを開設して、蓄積情報を確認できるようになります。
現場管理の効率化等
複数の現場がある場合、技能者の就業状況や現場をシステムで一括確認できます。
工事完了後でも、技能者の入場履歴が確認できコンプライアンスの確保が期待できます。
技能者及び技能者を雇用する事業者の施工力の確認
技能者を採用するときに、現場の経験や資格祝情報を確認できるようになり、優れた技能者を雇用する事業者の選定などに活用できます。
業界統一のシステム構築による合理化
技能者の真正性を確保したうえで就業履歴を蓄積する業界統一のシステムに参加する事で、独自に技能者の真正性を確保するためのコストを節約できます。
まとめ。
このシステムで、技能者の履歴が証明できるようになれば、建設業許可申請の際の経験証明なんかもとても簡単になってくるのではと感じています。
10年前の書類も平気で求められる建設業許可申請ですから、こういったシステムの履歴も認められればうっかり書類をなくしてしまったという事もなくなるでしょう。
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