こんにちは!
前回は減価償却とはそもそも何か?また減価償却の幾つかある目的について一緒に学びました。
今回は、減価償却の基本用語と減価償却の計算方法について分かりやすく解説していきます!
今日も財務の勉強がんばるワン!
減価償却が理解できると、決算書がずっと身近になるはずだよ!
ペクリン、がんばれ!
減価償却の基本用語
まず最初に、減価償却を計算するにあたって、必要となる基本用語と意味を紹介していきます。
- 取得価格
- 耐用年数
- 事業供用日
- 償却方法
なんだか急に難しい言葉が出てきたワン…
大丈夫。ひとつひとつ読み解いていきましょうね
取得価格とは?
資産を取得するのにかかった額のこと。
購入代金の他に荷造運賃や買い入れ手数料、試運転費用や裾付費(機械などの設置費用)などの付随費用を加算した額が取得価格となります。
耐用年数とは?
対象の資産が経済的な利益をもたらす期間のこと。
会計上、各資産に定められた耐用年数が減価償却期間として扱われます。
税法上の耐用年数とは、財務省令である「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表に定められた法定耐用年数のことを指しており、税金の公平の観点から設けられたものです。
法定耐用年数を使って減価償却を行うと、税法に適応した減価償却となり、税務調整が必要なくなるため、実務においては合理的な選択と考えられています。
また、法定耐用年数は減価償却資産の品目ごとに定められています。
事務所用鉄筋コンクリート建物はなんと50年、短いものだと自転車の2年もあるよ!
個々の資産それぞれの使用可能予測期間を算出することは、現実的に難しいため、税法上で定められた耐用年数を基準に多くの企業が減価償却を行っているんだよ。
事業供用日とは?
資産を本来の目的で使用を始めた日のこと。
たとえば機械装置を例に挙げると、機械を設置してから試運転を行った後に事業のために機械を使い始めた日が正確な事業供用日にあたります。
減価償却は、対象の資産を取得した日ではなく、原則として事業供用日から起算をします。
資産の取得日と事業供用日が異なる日の場合は、起算日を間違えないように注意が必要です。
減価償却方法とは?
会計上で認められている①定額法、②定率法、③級数法、④生産高比例法のこと。
主に、定額法と定率法のどちらかが使われます。
また、次の項目で説明する定率法で使用する償却率や改定償却率は、定率法で規定された割合があり、法定耐用年数ごとに決まった数値が定められています。
名前が似てるだけに、なんかややこしいワン~
定額法と定率法の違い
定額法による減価償却
定額法は、取得価格の資産の耐用年数に応じた償却率を利用して、各事業年度の減価償却費を計算する方法のこと。
耐用年数の期間にわたって、毎年の償却費が同じになるという特徴があります。
定額法による計算式は次のとおりです。
取得価格×「耐用年数に応じた定額法の償却率」=その事業年度の減価償却費
定額法の償却率は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表に定められています。
たとえば、購入初年度の自動車と購入後3年経過した自動車との間に性能の違いはほぼ認められず、「費用とは会社の事業活動に対する資金の貢献度具合である」と考えた場合、6年間の耐用年数の各期において、差が生じることはなく
毎期同額の減価償却費を計上することが合理的という考え方が、定額法の根拠です。
定額法は計算方法がシンプルだワン!
定率法による減価償却
定率法は、償却費が毎年一定の割合で減っていく償却方法です。
そのため、耐用年数の初期ほど償却額が大きく、期間(年数)が経過するに従って償却額が少なくなっていくという特徴があります。
定率法による減価償却費の計算式は次のとおりです。
・1年目
取得価格×「定率法の償却率」=減価償却費
・2年目~
期首未償却残高(注1)×「定率法の償却率」=減価償却費
(注1)購入金額-減価償却累計額(前期までの減価償却累計額)
定率法の償却率は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表に定められています。
たとえば、取得資産100万円、耐用年数5年の減価償却資産を購入したとします。
初年度は資産の状態も良く、まだ価値が高いため多くの費用(100万円にもっとも近い金額)を減価償却費として計上します。
しかし、新品と中古では価値が異なるのと同様に、5年間かけてその資産は物理的に劣化すると共に価値も減少していきます。
つまり定率法は、毎年の資産価値に合わせて計算をするという考え方が、定率法の根拠です。
定率法は、定額法よりも初期の段階での減価償却費が大きいという特徴がありますね
定額法と定率法どちらがおすすめ?
定額法の減価償却費は一定であるという特徴により、シンプルな計算で処理を行うことが出来ること、また資金計画が立てやすいというメリットがあります。
定率法は償却までが早いので、利益が減ってしまうという点があるものの、初年度の大きな節税効果が期待できます。
また、早く償却し費用改修を行うことで企業にお金が残り、さらなる投資に資金を増やすことが出来る点もメリットのひとつです。
今日は定額法と定率法の違いが分かって、よかったワン
まとめ
今回は「減価償却の基本用語と計算方法」を解説していきました。
決算書とも関わりの深い減価償却の基本が分かりましたね!
次回は「減価償却その他の注意点」について一緒に学んでいきましょう!
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