決算や財務分析、キャッシュ・フローなどに影響を与えるもののひとつでもあり、経理作業を行う上では欠かせない知識ですが、ルールが多くなんとなく難しく感じてしまう方も多いかもしれません。
そこで今回は、減価償却の意味や対象になる資産、減価償却の目的など、押さえておきたいポイントを解説していきます!
減価償却っていったいワンだろう..
減価償却とはなにか?
減価償却とは、時間の経過によって減少する資産の価値を、各資産の耐用年数に応じて各事業分の費用に配分することをいいます。
固定資産の中には時間の経過とともに価値が薄れていくものがあり、たとえば建物や建物設備、機械や社用車、オフィスのパソコンなどです。
これらは形があり、それが目で見えるものなので「有形減価償却資産」と言われています。
次に、ソフトウェアや営業権、商標権、実用新案権などです。
これらは形として目で見えるものではないので「無形減価償却資産」と言われています。 そして最後は、牛、馬、豚などの生物や、りんご樹やなし樹なども減価償却の対象です。
反対に、減価償却できない資産とは一体どういうものなのでしょうか?
- 価値が減少しない資産
- 建設中の資産
- たな卸資産
これらのものは、減価償却が出来ません。
美術品・骨董品、土地や借用権は、景気の変動で価格が変動することはあっても、時間の経過が理由で価値が減少することはないと考えられるため、減価償却の対象ではないです。
ふむふむ・・減価償却にとって大切なことは”時間の経過”なんだね。
ペクリン、その通り!固定資産の種類によって劣化する速度が違うように、減価償却もその耐久性に応じた期間がそれぞれ設けられています。
もう少し一緒に読み進めていこうね。
建設中の建物については、固定資産として計上することは出来ません。
完成前に建設のための代金として支払った分は、建設仮勘定として固定資産に計上はされますが、減価償却の対象にはならなく、建物が完成して使用を開始し始めてからやっと減価償却が可能となります。
最後のたな卸資産とは、小売業の商品や製造業の原材料、不動産業の販売前の土地や建物などの在庫全般を指しますが、販売をした時に売上と対応させて売上原価として費用を計上することになりますので、こちらも減価償却は出来ません。
その他、現在業務に使っていない固定資産や、未使用のものも減価償却の対象外となります。
稼働休止中の資産のうち、休止期間中に必要な維持補修が行われており、いつでも稼働し得る状態にあるものに関しては、減価償却資産に該当をします。
特に減価償却では「いつから使い始めたのか、使用可能期間何年か」が
とても重要になります!
減価償却の目的~減価償却は何故行うのか?
減価償却を行う目的は、経営状況を正しく把握することです。
減価償却には適切な損益計算が出来るというメリットがあり、経営成績を的確に反映することが出来るのです。
会計上の費用は、消費した期間に応じて費用計上していくべきでありこれを「費用収益対応の原則」と呼びます。
減価償却は、本来あるべき実態に則った会計処理なのか!
固定資産は「長期間にわたって収益を生む設備投資」であると考えた場合、所定の期間の営業活動に使用することになるので、営業活動にかかった費用として期間の損益に基いた費用計上が、減価償却によって求めることが出来ます。
また、減価償却には固定資産を流動化するという役割もあります。
固定資産は、1年以上の長期にわたって投資を回収する資産であり固定資産の活用によって得た収益は、現金などでの流動資産で得ることが出来ます。
そして減価償却には自己金融効果もあります。
自己金融効果とは、減価償却などの支出を伴わない費用を計上することによって減価償却費に相当する資金を企業内に留保するという考え方です。
費用として損益計算表上に表示される一方で、資産としては目減りがしないため企業は、減価償却費に相当する費用を現金として留保できます。
そして次の設備投資のために使用することや、事業への投資に充てることが出来ます。
最後に、減価償却は節税効果につながるメリットもあります。
法人は会計年度ごとの所得に応じて法人税を計算しています。
所得は、収益から費用を差し引いた金額で計算されますが、所得計算上においては、費用を長期にわたって計上することにより節税効果を長期にわたって受けることが出来るのです。
節税や正確な損益の把握、金融機関からの信頼など、多くのメリットがあることが分かりましたね!
まとめ
減価償却は期間損益を正しくするという意味で、実態に即した会計処理として必要とされています。
今回は「減価償却とは何か?減価償却を行う目的」を解説していきました。
次回は「定額法と定率法の違い?」や「誰でも分かる計算方法」について一緒に学んでいきましょう!
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