【基本】解体工事業の許可と登録は何が違うの?登録を受ける条件をまるっと解説!

行政書士宮城彩奈

こんにちは!
行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。

さとし

解体工事は許可と登録があると聞いたことがあるのだけど、何が違うの?

建設業は、主な「建設業法」の他に、「電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)」「電気通信事業法」「建築基準法」「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」など、様々な法律が密接に関係しています。

今回は、建設リサイクル法による解体工事業の「登録」について解説します。

目次

解体工事業の登録とは?

土木一式工事業、建築一式工事業、解体工事業の建設業許可を持たずに、家屋等の建築物その他の工作物(建築物等)を解体する建設工事業(解体工事業)を始めようとする方は、元請・下請関わらず「建設リサイクル法」による都道府県知事の登録を受けなければなりません。

建設業法では、500万円以上の工事を請負う場合に、建設業許可を取得しなければならないとされていますが、建築リサイクル法では500万円未満の解体工事であっても、都道府県知事の登録を受けなければならないとされています。

解体工事業については、防水工事業や内装仕上げ工事業等の他の専門工種とは違い、プラスアルファで規制がされているということになります。

どこに登録申請をすれがよいの?

解体工事業の登録申請は、その解体工事を行う現場の都道府県知事に申請を行います。

そのため、解体工事業を営む営業所が1か所であっても複数の都道府県で解体工事を行う場合は、その都道府県ごとに登録申請が必要となります。

建設業許可は、建設業を営む営業所の都道府県知事(2つ以上の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣許可)の許可を受ければ、全国どこでも営業できるという点に違いがあります。

解体工事業を取るための条件は?

解体工事業の登録をするには2つの要件をクリアしなければなりません。

技術管理者を選任していること

解体工事の技術管理者として、以下①~⑤のいずれかに該当する有する者がいること。

①資格

法律資格名備考
建設業法1級建設機械施工技士
2級建設機械施工技士種別:第1種または第2種
1級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士種別:土木
1級建築施工管理技士
2級建築施工技士種別:躯体
建築士法1級建築士
2級建築士
技術士法技術士建設部門の合格
職業能力開発促進法1級とび・とび工
2級とび・とび工合格後、解体工事の1年以上の実務経験

②登録試験合格

国土交通大臣の登録を受けた登録試験に合格した者

登録機関名資格名備考
公益社団法人全国解体工事業団体連合会解体工事施工技士

③実務経験

学歴実務経験年数備考
大学、高等専門学校、専門職大学で「土木工学等に関する学科」を修めて卒業解体工事に関し2年以上
高等学校、中学校で「土木工学等に関する学科」を修めて卒業解体工事に関し4年以上
上記以外解体工事に関し8年以上

④登録講習受講+実務経験

国土交通大臣が実施する講習または国土交通大臣の登録を受けた登録講習を受講し、以下いずれかの実務経験を有する者

登録講習学歴実務経験年数
解体工事実施技術講習
・公益社団法人全国解体工事業団体連合会
・一般社団法人全国建設研修センター
大学、高等専門学校、専門職大学で「土木工学等に関する学科」を修めて卒業解体工事に関し1年以上
高等学校、中学校で「土木工学等に関する学科」を修めて卒業解体工事に関し3年以上
上記以外解体工事に関し7年以上

⑤上記①~④と同等以上の知識または技能を有する認定した者

注意
  • 土木工学等に関する学科とは、土木工学・農業土木・鉱山土木・森林土木・砂防・治山・緑地・造園を含み、建築学、都市工学、衛生工学、交通工学に関する学科を指します。
  • 実務経験とは、解体工事の施工を指揮監督した経験、実際に解体工事の施工に携わった経験の事をいいます。
  • 実務経験は、解体工事に関する技術を取得するための見習いにおける技術的経験も含まれます。
  • 解体工事現場の単なる雑務や事務作業は実務経験に含まれません。

欠格事由に該当しない事

  • 虚偽記載や記載誤り
    故意過失を問わず、申請書またはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載や重要な事項の記載がかけていないこと。
  • 解体工事業者としての適性を期待しえない場合
    • 解体工事業の登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過していない。
    • 解体工事業者である法人が登録を取り消された場合に、その処分のあった日前30日以内にその解体工事業者の役員であった者で、その処分があった日から2年を経過しない。
    • 解体工事業の停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない。
    • 建設リサイクル法の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わってから2年を経過しない。
    • 「暴力団による不当な行為の防止等に関する法律」第2条第6号に規定する暴力団員または同号に規定する暴力団員ではなくなった日から5年を経過していない。
    • 法定代理人がいる場合に、その法定代理人が上記に該当する場合。
    • 法人で、役員のうちに上記に該当する者がいる場合。
    • 暴力団員等がその事業活動を支配していること。

解体工事業登録後の義務とは?

標識の掲示義務

解体工事業の登録を受けた場合は、営業所と解体工事現場の見やすいところに標識を掲示しなければなりません。

帳簿の備え付け義務

解体工事業者は、主務省令で定める帳簿を営業所ごとに備え付け、解体工事ごとに作成しなければなりません。

次のいずれかを帳簿と共に事業年度終了日から5年間保存しなければなりません。

  • 建設業法第19条第1項または第2項に規定する書面または写し
  • 工事の規模が、建設リサイクル法第9条3項または4項に規定する建設工事の規模に関する基準以上である場合には、同法第13条第1項または2項の規定による書面またはその写し

パソコン等のファイルまたはディスク、CD-ROM等に一定の事項を確実に記録し、必要に応じて解体工事業者の営業所において印刷して出力できるなどの方法でも問題ありません。

解体工事現場への技術管理者の設置義務

解体工事業登録の際に選任した技術管理者を、現場を監督する者として配置しなければなりません。

施工技術の確保

解体工事業者は、解体工事施工技術の確保に努めなければなりません。
「努めなければならない」とされているので、あくまでも義務ではありません。

解体工事業の許可と登録は両方持てるの?

解体工事業の登録をした後に、建設業許可を取得した場合は、解体工事業の登録を廃止する届出が必要となります。

反対に、建設業許可を取得していれば解体工事業の登録を行う必要はありませんので、「許可」または「登録」のどちらかの保有となります。

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