こんにちは!行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。
平成30年4月1日から経営事項審査改正が施行されました。主な内容は3点あるのですが内容は以下です。
- 社会保険未加入業者の減点を厳格化
- 防災協定への加点見直し
- 建設機械所有の加点方法見直し
この3点は、経営事項審査における【その他審査項目「社会性等」】という項目部分に入っているものです。(W点という部分です。)
現在では、この3点のどれかでW点が減点されている業者は950業者(全体の0.7%)あります。そのうちのほとんどが社会保険未加入での減点になっていますが、労働環境改善のために社会保険加入100%が喫緊課題なのです。
2018年4月からの申請に改正が適用されますのでご紹介したいと思います。
社会保険未加入業者への減点を厳格化
経営事項審査の社会保険加入状況において減点処置は、以下のように変わって来ていました。
- 〜平成20年
雇用保険未加入
社会保険・厚生年金保険未加入
賃金不払い件数(自己申告)
→それぞれ15点ずつ減点(計45点) - 〜平成24年
雇用保険未加入
健康保険・厚生年金保険未加入
→それぞれ30点ずつ減点(計60点) - 現在
雇用保険未加入
健康保険未加入
厚生年金保険未加入
→それぞれ40点ずつ減点(計120点)
上記の通り、平成24年までは「雇用保険」と「健康保険・厚生年金」という2つの括りで未加入に対し減点だったところ、現在では「雇用保険」「健康保険」「厚生年金」の3つ各々の未加入で減点になっています。
そして現行では、W点のマイナス部分について0に満たない部分(マイナス点)は「0点」とみなしていましたが、これを撤廃し、合計がマイナス値のままでもそのままマイナス計算されることになります。
これはW点での減点が、社会保険未加入によるものが大半であることから、このような厳しい措置を取ることになりました。
防災協定への加点見直し
防災協定とは、大地震や大洪水などのときに物資や人の援助を受けられるよう、自治体が民間企業と締結する救助協定を言います。自治体ごとに登録条件は確認する必要がありますが、募集期間があったり、その他としては緊急時に協力要請を受けた場合、1時間以内に必要な人員を集めることができること、競争入札参加有資格者名簿に登録していること等があります。
この緊急時の要請は、平日・土日祝日・夜間を問わず24時間の待機の負担も負うことになります。ですが、防災協定を締結している建設業者のそのような体制が、地域の担い手として社会貢献を果たしているのです。
こうした活動を評価するために、防災協定を締結している建設業者の加点を現行は15点のところ、改正により20点の加点になります。
建設機械保有の加点方法見直し
今までは、災害時に使用される建設機械についての所有台数状況により加点を評価していました。ですが、建設機械を購入することで経営状況が低下(Y点)する企業もあります。その結果、総合評定値(P点)も共に低下してしまうことがありました。
また、大型ダンプ車について現行は自家用のものしか加点対象になりませんが、企業が建設業の用途に使用し、災害時に活躍する大型ダンプの中には営業用になっているものも存在しています。
そのような場合での解決策として、1つ目は所有台数が少なくても建設機械を保有する企業を高く評価するようになります。
【現行】=1台につき1点の加点
台 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
【改正後】
台 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
点 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 12 | 13 | 13 | 14 | 14 | 15 | 15 |
2つ目は、営業用の大型ダンプ車(マル営)も加点評価の対象になります。対象車両については、車検証備考欄の表示番号後に(建)の記載が必要になります。(車体には(建)を表示する必要はありません。)車検証に記載が必要な建設業者の方は各運輸支局に申請・届出が必要になります。
再審査申請の受付もあります。
平成30年4月1日前に経営事項審査の申請をした場合でも、改正部分のみ関しては再審査申請の受付が4~7月にあります。(防災協定の加点が多そうな感じがしますが。)神奈川県窓口でもお知らせが出ています。
経営事項審査はこのように加点や減点の改正が行われることがあるので、経営事項審査申請の都度確認する必要があります。
弊所では常に最新の情報を収集しています。経営事項審査申請は遅くても決算日半年前から慎重に行う必要がありますので、入札参加資格の組み立てもしっかり行いたい業者様、お気軽にご相談下さい!
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