
こんにちは!行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。
今の時期はちょうど確定申告の季節ですね。ご自身で申請されている方は処理に追われている頃でしょうか。
「確定申告書」ですが、建設業許可の要件の1つに「経営業務の管理責任者がいる事」という要件があります。
経営業務の管理責任者になろうとしている方の「経営経験を証明するための資料」になるのです。(一人親方の場合)
確定申告書での経営経験の証明ができれば、5年分の工事請負契約書や請求書、請書等の書類を集めなくてもクリアできるようになる可能性があるのです。
まずは、経営業務の管理責任者の役割とは?から順に解説します。
経営業務の管理責任者の役割とは?
経営業務の管理責任者とは、「経管(ケイカン)」と呼ばれることもあります。
経営業務の管理責任者の役割としては、建設業許可を取得した会社の業務上の取引責任を負う者です。
その者は会社の常勤の役員である必要があります。もちろん、役員としての経験などがないまま重要な責任を負う事はできませんから、一定期間の経営経験があった事が求められます。
「一定期間の経営経験」とは、過去に会社の役員・個人事業主・営業所の支店長・執行役員等であった事が5年以上必要です。(平成29年6月30日に7年から6年に短縮される改正法が施行し、令和2年10月1日に5年に統一されました。)
2業種以上の許可を取りたい場合も、5年以上の建設業の経営経験があれば2業種以上の許可の取得が可能になりました。(令和2年10月1日施行)
この経験が証明できれば、あとは過去の会社で役員であった事の確認として会社登記簿謄本や個人事業主の場合は確定申告書で証明します。



経管の要件はここ5年間でも2回ほど改正しています。
令和2年10月改正時点は、こちらのブログを参考にしてください。


どのように経営経験を証明するの?
建設業の経営経験として
法人であれば、会社の登記簿謄本と経営経験がある会社が建設業許可業者であった場合は建設業許可通知書のコピーが揃えば証明が楽になります。
建設業許可通知書のコピーがなければ、法人の方であれば法人税確定申告書「事業種目」欄(法人事業概況説明書の業種内容で業種が判断できればそれでも可。)、個人事業主の方であれば確定申告書第一表の「職業」欄です。
さらに、それらも無い場合は、工事請負契約書や注文書・請書・請求書(必要な場合は領収書や入金通帳)の準備が必要です。
過去に遡って工事請負契約書等を集める事が非常に手間に感じる事業者様も多いですし、都道府県ごとでの取り扱いも違うので、申請前には自治体に確認しましょう。
申請する建設業業者常勤確認として
許可を取得する業者での「常勤性」の証明ですが、健康保険被保険者証や特別徴収切替申請書等で対応します。
確定申告書を失くしてしまったけどどうしたらよい?
毎年、確定申告をしているのに、いざ許可を取ろうとした時に確定申告書をなくしてしまっている場合もあるかと思います。
過去7年前までの確定申告書であれば「情報開示請求」という制度がありますので、税務署の窓口や郵送請求で取り寄せることも可能です。(開示決定通知書も無くさないようにしましょう。)
しかし、過去7年間の確定申告書は保管されていますが、それ以前の確定申告書は処分されてしまっているので、その場合は確定申告書で証明できない期間の契約書や注文書を用意する必要があります。
また、代理人によっても請求する事はできますが、平成28年以前の確定申告書に関しては「法定代理人」という親族の方でなければ取り寄せる事が出来ません。
情報開示請求は30日くらいの日数を要しますので、許可を急ぎでとりたいけど確定申告書を無くしているという場合は、早めに準備しましょう。
まとめ。
経管の要件は複雑です。
また、書類の収集も業者さんによって様々なので、建設業許可を取りたい方は一度、建設業許可専門の行政書士さい事務所までご相談ください。