【まるっと解説】電気工事業を営むには?電気工事業の許可と登録の違いは?

電気工事業を始めるには? (1)
行政書士宮城彩奈

こんにちは!
行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。

当事務所に「電気工事業を営みたいのだけど、どうしたらよいですか?」とお問い合わせをいただいたので、今回は「電気工事業」について取り上げます。

電気工事業は、感電や発火など事故の危険が高い事から「電気工事士法」と「電気工事業の業務の適正化に関する法律」により法規制がされているのですが、電気工事業を営む場合、建設業許可を持っていても別の手続きが必要になります。少しややこしいかもしれませんが、解説したいと思います。

目次

電気工事とは?

電気工事士法第2条3項では、電気工事について「一般用電気工作物または自家用電気工作物を設置し、または変更する工事をいうと定義づけられています。
(軽微な工事は除きます。下の「登録がいらない場合はあるの?」記載の工事が軽微な工事です。)

軽微な工事にあたらない電気工事業を営むには、登録・届出・通知いずれかの手続きをしなければ電気工事業を営んではいけません。

登録・届出・通知の違いは?

電気工事業の登録は、建設業許可を持っていない電気工事業者が登録、建設業許可を持っている電気工事業者は届出になります。

営業を行う事業所が1つの都道府県内にある場合は都道府県知事への登録・届出、2つ以上の都道府県に事業所がある場合は経済産業大臣または経済産業局への登録・届出になります。

ちなみに複数の営業所がある場合でも、1つの都道府県内のみの場合は都道府県知事への登録になります。

また、「通知」というものがあって、自家用電気工作物で500kW未満の設備しか扱わないのであれば通知の手続きなります。
一般電気工作物を扱うのであれば、その時点で登録・届出の対象になります。

登録がいらない場合はあるの?

電気工事士法施行令第1条に定められている「軽微な工事」にあたる、以下6つのパターンは登録等がいりません。

  • 電圧600V以下で使用するケーブルなどの接続工事
  • 電圧600V以下で使用する電気機器や電線などのねじ止め工事
  • 電圧600V以下で使用する電力量計やヒューズなどの取り付け、取り外し工事
  • 電鈴・インターホン・火災報知器などの施設に使用する配線工事
  • 電線柱や腕木などの工作物設置・変更工事
  • 地中電線用の設置・変更工事

登録にするには?

登録するには第1種電気工事士、または第2種電気工事士免状を受けた者で3年間の実務経験がある人を事業所に1人配置しなければいけません。

また、経済産業省令で決められている器具を持っていることが条件になっています。

自家用電気工作物で500kW未満の設備しか扱わないのであれば通知になりますが、その場合には器具のみが条件になります。

以下が、用意していただく器具です。(電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則第11条)

自家用電気工事

  • 絶縁抵抗計
  • 接地抵抗計
  • 抵抗及び交流電気を測定することができる回路計
  • 低圧検電器
  • 高圧検電器
  • 継電器試験装置
  • 絶縁耐力試験装置

一般用電気工事

  • 絶縁抵抗計
  • 接地抵抗計
  • 抵抗及び交流電気を測定することができる回路計

申請先は?

営業所(本店と営業所が別の場所の場合は、実際に電気工事を営業する方が営業所)が1つの都道府県内であれば、管轄の都道府県知事、2つ以上の都道府県にまたがって営業所を設置している場合(神奈川県と東京都等)で1つの経済産業局の区域内の場合は経済産業局長、2つの経済産業局の区域にまたがっている場合(神奈川県と大阪府等)は経済産業大臣に申請します。

電気工事業の建設業許可との違いは?

電気工事業の建設業許可が必要な場合は、500万円(税込)以上の電気工事を請負う場合に必要となり、これは自社で施工しなくても必要です。

一方、電気工事業登録は一般電気工作物または自家用電気工作物を自社で施工する場合に必要な登録制度です。
しかし、電気工事業登録をしていても500万円以上の電気工事を請負うことはできないため、500万円以上の工事を請負う場合は電気工事業の建設業許可を取得しなければなりません。

また、電気工事業の建設業許可をお持ちの場合で、自社で電気工事を施工する場合は、電気工事業のみなし登録電気工事業通知を行う必要があります。

まとめ

電気工事業は、登録・届出・通知などいろいろな言い方をして非常に分かりずらい部分があります。電気工事業を営む場合は、区分と申請先を気を付けて下さい。

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