【建設業】専任の主任技術者・監理技術者は2つ以上の工事現場を兼務できるの?

行政書士宮城彩奈

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行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。

公共性のある施設若しくは工作物または多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事は、専任の主任技術者または監理技術者(以下、監理技術者等)を現場に配置しなければなりません。

「専任」とは、文字通り「専ら」1つの工事現場に従事することを指すため、原則2つ以上の工事現場を兼務することはできません。

”原則”なので、例外として2つ以上の工事現場を兼務できるパターンもあります。

目次

そもそも専任の監理技術者等とは?

主任技術者、監理技術者は、公共性のある工作物に関する重要な工事に配置される場合は、工事現場ごとに専任でなければならず、特例監理技術者を配置する場合は、その工事現場に配置する監理技術者補佐は専任でなければなりません。

また、特定専門工事(型枠工事または鉄筋工事で元請等が施工するための下請代金額が4,000万円未満)の元請等の主任技術者も、専任でなければなりません。

「専任」とは、他の工事現場の業務をせず、勤務中は常時継続的に配置された工事現場の業務のみ従事することをいいます

専任の主任技術者が2つ以上の現場を兼務できるパターンとは?

原則、専任の監理技術者等は1つの工事現場にのみ従事するため、他の現場を兼務することはできません。

例外として、密接な関係のある2つ以上の工事を、”同一の建設業者”が”同一の場所または近接した場所”において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理することができるとされています。


”同一の建設業者”が”同一の場所または近接した場所”とは、以下、条件に該当する場合のみとなります。

なお、この例外規定は監理技術者には適用されません。

専任の主任技術者が2つ以上の現場を兼務できる具体的な条件とは?

専任の主任技術者が2つ以上の現場を兼務しても良い場合を画像で説明しています。
  • 工事の対象となる工作物に、一体性および連続性が認められる工事、または、施工にあたり相互に調整が必要となる工事で、かつ、工事現場の相互間隔が10km程度の近接した場所において、同一の建設業者が施工する場合は、建設業法施行令第27条2項が適用されます。
    なお、施工にあたり相互に調整を要する工事について、資材の調達を一括で行う場合や工事の相当の部分を同一の下請けで施工する場合等も含まれます。
  • 上記①の場合において、1人の主任技術者が管理することができる工事の数は、専任が必要な工事を含む場合は原則2件程度となります。

上記①②の適用にあたっては、個々の工事の難易度や工事現場相互の距離等の条件を踏まえて、各工事の適正な施工に抜かりのないよう発注者が適切に判断することが必要です。

建設業法施行令第27条2項
 〜(略)〜建設工事のうち密接な関係のある二以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。

同一の注文者、または別々の注文者どちらが発注する工事であっても、同一の建設業者と締結する契約工期の重複する複数の請負契約にかかる工事、かつ、それぞれの工事が同一の建築物または連続する工作物である場合については、全体の工事を当該建設業者が設置する同一の監理技術者等が掌握し、技術上の管理を行うことが合理的だと考えられることから、すべての注文者から同一工事として取り扱うことについて書面による承諾を得た上で、これら複数の工事を一の工事とみなして、同一の監理技術者等が複数工事全体を管理することができます。

この場合、全てを下請として請負う場合を除いて、複数工事の下請負金額の合計が4,500万円(建築一式工事7,000万円)以上になるときは、特定建設業許可が必要となり、工事現場には監理技術者を配置しなければなりません。

また、これら複数工事の請負代金の合計が4,000万円(建築一式8,000万円)以上となる場合、主任技術者または監理技術者は工事現場に専任でなければなりません。

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