こんにちは!
行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。
なるべく無理してでも安く発注したいというのが正直なところ・・・。
以下のパターンは、「指値発注」にあたるのでしょうか。
指値発注は建設業法違反になるのか解説します。
- 元請が下請との話し合いなく、一方的に提供または貸し出した安全衛生保護具等の費用、下請代金の額を決定して、その額で下請契約を締結
- 元請が合理的な根拠がないのにも関わらず、下請負人の見積額を著しく下回る額で下請代金の額を一方的に決定して、その額で下請契約を締結
- 元請が下請に対して、複数の下請負人から提示された見積額のうち最低額を一方的に下請代金の額に決定して、その額で下請契約を締結した場合
- 元請負が下請から交付された見積書に記載されている労務費や法定複利費等の内容を検討せず、一方的に一律◯%を差し引きするなど、一定の割合を差し引いた額で下請契約を締結した場合
- 元請下請間で請負代金の額に関する合意が得られていない段階で、下請に工事を着手させ、工事の途中または工事終了後に元請が下請との協議に応じることなく、下請代金の額を一方的に決定して、その額で下請契約を締結
- 元請が下請負人が見積もりを行うための期間を期間を設けることなく、自らの予算額を下請負人に提示して、下請契約締結の判断をその場で行わせ、その額で下請契約を締結した場合
指値発注とは?
建設業でいう「指値発注」とは、元請が下請との請負契約を締結する際に、下請けとの十分な協議をせず、または下請の協議に応じずに、元請が一方的に決めた請負代金の額を下請に提示(指値)して、その額で下請に契約を締結させることです。
指値発注は、建設業法第18条の建設工事の請負契約の原則に反する行為です。
指値発注は建設業法に違反するおそれがある?
指値発注は、元請としての地位を不当利用にあたるものと考えられており、下請代金が工事を施工するために「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合には、元請下請間の取引依存度によっては、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金に違反する恐れがあります。
その工事の施工地域において工事をする場合に、一般的に必要と認められる価格(直接工事費、共通仮設費および現場管理費からなる工事間接費、一般管理費の合計)のことで、具体的には下請負人の実行予算や下請負人による再下請先、資材業者等との取引状況、当該地域の施工区域における同種工事の請負代金額の実例等により判断します。
普段より短い工期で契約する場合
元請が下請に対して示した工期が、通常の工期に比べて短い工期の場合は、下請工事を施工するために「通常必要と認められる原価」は、元請が示した短い工期で下請工事を完成させることを前提として算定されなければなりません。
元請が通常の工期を前提とした下請代金の額で指値をした上で、短い工期で下請工事を完成させることにより、下請代金の額がその工事を施工するために通常必要と認められる原価を下回る場合は、建設業法第19条の3に違反するおそれがあります。
指値発注の検討期間を与えない場合
下請が、元請が指値した額で下請契約を締結するか否かを検討する期間を与えずに解答を求める行為は、建設業法第20条第4項「見積もりを行うための一定期間の確保」に違反します。
請負代金の合意がないうちに下請に施工を行わせた場合
元請下請間で請負代金の合意が得られない中、契約書面の締結が行われていない段階で、元請が下請に対し、下請工事の施工を強要し、その後に下請代金の額を元請の指値により一方的に決める行為は、建設業法第19条第1項に違反します。
これらに該当しない場合でも、事情によっては請負契約に関する不誠実な行為に該当する可能性があります。(建設業法第28条第1項第2号)
元請負人は、指値発注をしないこと!
下請契約の締結にあたり、元請が契約代金を提示する場合には、提示した額の算出根拠を明らかにして下請負人と十分な協議を行うなどして、指値発注により下請契約を締結しないように心がけましょう。
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